金沢地裁が「評議室」をリニューアル-裁判員制度スタートで環境づくり

会議室を改装した金沢地裁の評議室

会議室を改装した金沢地裁の評議室

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 5月21日にスタートした裁判員制度に合わせ、金沢地方裁判所では現在、評議に参加する裁判員の緊張をやわらげリラックスできるよう評議室を一新するなど、環境作りを進めている。

評議室に新調されたソファセット

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 評議室は同地裁2階の会議室を全面改装。裁判員が評議に使うテーブルと、長時間座っていても疲れない設計のいすを新調した。カーペットと壁紙は明るく落ち着いた薄いベージュに張り替え、絵画を飾り、人工の観葉植物も置くなどリラックスできる演出も。また、同室は裁判員の休憩スペースとしても活用されることから、一角にソファセットを備え、セキュリティー完備のロッカーや冷蔵庫、コーヒーサーバーなどの設備も整えた。同地裁では廊下の電気量を減らし経費削減に取り組んでいたが、「裁判員が過ごす評議室ではリラックスして評議に集中できるように、明るく清潔な空間を目指した」(同地裁総務課)という。

 早ければ7月から全国60の地裁で始まる裁判員制度は、起訴案件に基づき地裁の公判前整理手続きで争点・証拠・裁判日程を決める。管轄の裁判員候補者名簿から無作為抽出で選ばれた50~100人に対し初公判の6週間前までに「裁判員等選任手続き期日のお知らせ(呼び出し状)」が送られ、選任手続きと初公判を同日に行う。

 事件ごとに原則6人の裁判員と補充裁判員が選任され、裁判官3人とともに評議を行う。金沢地裁の場合、初公判日の朝に候補者を招集、前泊が必要な人には7,800円の宿泊費が支給され各自が宿泊先を探す。事前に候補者が記入した質問票に基づき面接が行われ、辞退要件に該当するか、被害者や被告と知り合いでないかなどの質問を通して裁判員を選出。選ばれた裁判員は13時から評議を始め、途中1時間ごとに休憩を挟みながら17時ごろまで続けられる。評議期間は原則3日間程度。

 日当は10,000円以下と定められており、裁判所までの交通費は公共交通機関のある場合はその運賃。やむを得ず車を使う場合は、その距離に応じて1キロメートル当たり37円で計算された金額が支給される。昼食は外食するか各自で用意し、同室を食事に利用することもできる。

 同地裁の総務課の赤尾さんは「裁判員といってもチームで評議を進めるので、重くとらえずリラックスして自由な意見で参加してほしい。新しく備えた評議室が活用されれば」と改装効果に期待を寄せる。

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