石川県内の港からロシアに向けて輸出される中古車台数が、昨年末から激減している。世界同時不況によりルーブル安が加速。日本車価格が高騰した影響などから、金沢港では昨年11月から中古車の輸出がゼロとなり、七尾港でも輸出台数が急激に落ち込んでいる。日本国内の中古車輸出の急成長に乗り、輸出台数を伸ばしてきた両港に試練の時が訪れている。
日本の中古車輸出台数は昨年、前年比3.4%増の134万7,026台で過去最高を記録しており、ロシアへの中古車輸出は、富山県が全国トップの32.3%を誇っている。ここ数年は伏木富山港、富山新港、富山港の3港でさばき切れなかった車が、金沢港や七尾港から積み出されていた。金沢港では2007年に2,129台で過去最高を記録し、昨年も上半期は前年を上回るペースだった。七尾港は昨年、過去最高の7,959台を輸出していた。
ところが、世界同時不況に加え、ロシアでは今年1月、国内の自動車産業保護のため、中古車輸入に対する関税率を代表的な車種で25%から35%に引き上げたことなどから、金沢港では昨年11月から輸出台数がゼロの状態が続いている。七尾港でも駆け込み需要があった昨年11月の1,268台を境に急減し、今年1月はゼロ、2月は前年同月比2%の12台しかなかった。