金沢を中心とする大学、短大、専門学校、高専の学生が自発的に組織する学生企画団体「創ル部」は4月、秋の合同学園祭開催に向け活動を始めた。
「学生の手で金沢を盛り上げよう」との思いを抱いた数人の学生がグループで活動を始めたのが「創ル部」の始まり。2006年から毎年、「金沢に衝撃と感動を」をコンセプトに大学横断型の合同学園祭を開催し、企画、広報、協賛企業募集の営業活動、運営のすべてを現役の学生だけで行っている。昨年の合同学園祭は19校から350人の学生が実行委員会に参加。49社の企業が協賛し、約1万8,000人が来場する一大イベントに成長した。
4年目となる今年の合同学園祭は、9月20日に金沢市中心部の中央公園で開催する。各種模擬店を出店するほか、ライブやダンスパフォーマンス、ファッションショーなど多彩な催しで2万人の集客を見込む。実行委員会では現在、メンバー募集と親睦会を兼ねた説明会を開催するなど組織作りを進めており、6月には「金沢百万石祭り」の踊り流しに参加し、合同学園祭の開催をPRする予定。
今年、合同学園祭の実行委員長を務める水野陽介さん(金沢大学3年)は金沢出身。近年、郊外型の大型店の進出により、金沢のまちなかの活気がなくなっていることから、「金沢の中心部で大きなイベントを行うことで、少しでも地域の活性化につなげられれば」と水野さん。副実行委員長の古田愛鈴さん(同)は、創ル部の活動に参加して2年目。営業や集客など不慣れな業務が多い中で、イベントを盛り上げようという学生のパワーを実感しているという。二人は「創ル部には志が高く、熱い思いがある学生が大勢集まってくる。そんな仲間と汗を流してひとつのプロジェクトをやり遂げることで、一生付き合える友人ができる」とその魅力を語る。
今年の実行委員会の課題は「継承」。水野さんは「合同学園祭は来年5年目の節目を迎える。さらにその後10年、20年と続いていく取り組みにするために、後継者にノウハウと志を継承していきたい」と意気込む。
創ル部では現在、石川県内の学生に実行委員会への参加を呼びかけるとともに、協賛企業を募っている。