兼六園観光協会(金沢市兼六町1、TEL 076-221-6453)が3月に発行した小冊子「兼六園の達人」で、茶店の主人らが兼六園の魅力や穴場スポット、茶店の歴史・土産物などを紹介している。
同協会は、茶店の活性化を図るため、兼六園に隣接する14軒で昨年1月に設立された。明治中期には53軒あった茶店は、過当競争と冬場の営業不振などで明治末には現在の14軒となり以後100年の歴史を守っている。
誌面では、茶屋の主人が兼六園や茶店のエピソードを語る。「昔は店の権利売買ができたが、現在では世襲制のため親族以外は継ぐことができなくなった」(城山亭・北元涼子さん)、「店のガラス戸には明治時代に手作りされた板ガラスが使われているため、ガラスを通して見る景色は少しゆがんでレトロな趣がある」(堤亭・堤秀二さん)、「高台にある店からの眺望は抜群で、初夏に飛ぶホタルや秋のスズムシなど自然を満喫する楽しみも」(眺望亭・奥村浩さん)など、兼六園とともに歩んできた茶店文化をつづっている。
巻末の園内地図では、「茶店から見る桜と石川門」「屏風絵のような山崎山の静けさ」など、「達人」が指南する「とっておきのスポット」を紹介している。
冊子は石川県中小企業団中央会が企画したA5判の全17ページで、加盟店舗や旅行業者などに配布した。