金沢市立安江金箔工芸館(金沢市北安江1、TEL 076-233-1502)で現在、春季展「『箔』表現のかたち~シカク・サンカク・ホソナガク」が開催されている。
金箔の形と言えば「正方形」、職人が金・銀・銅の合金を1万分の1ミリの薄さまで延ばして仕上げた状態。しかし、表具や漆芸の世界では金箔を細かい粉の状態で使用するほか、古くから仏像・仏画の装飾には髪の毛ほどの細さに裁断する技法「截金(きりかね)」が用いられてきた。技法により形状が変わるだけでなく、装飾対象の表面に直接貼られたり漆で塗り込められたりと、金箔による表現は多岐にわたる。同展では、変幻自在な「箔の姿」を表す約30点の工芸品を展示する。
代表的な技法には、漆面を沈金刀で彫った溝の中に金箔や金粉をすり込んで絵柄を表す「沈金(ちんきん)」、漆で描いた文様の上に金銀粉を蒔きつける「蒔絵(まきえ)」、金や銀の箔を布の表面に張って文様を表す「摺箔(すりはく)」、竹筒の底に張った網に箔を入れ網目から落ちた粉状の箔で装飾する「砂子(すなご)」などがある。そのほか、西洋の古典技法「テンペラ」など、技法によるさまざまな「金箔のかたち」を紹介している。
5月3日~5日には関連イベントとして、「摺箔(すりはく)体験」を実施する。1時間~1時間半で、シルクスクリーンの型を用いて色紙と和紙はがきに、金箔の絵を作ることができる。参加費は800円。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、大人=300円、高校生以下=無料、65歳以上=200円(いずれも金箔入り茶・菓子付き)。5月24日まで。