「電車に乗ろうよ!」-区間の廃線ささやかれる北鉄石川線で旅イベント

鶴来~加賀一宮の区間が廃線の危機にある北鉄石川線

鶴来~加賀一宮の区間が廃線の危機にある北鉄石川線

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 北陸鉄道石川線を舞台にした「電車に乗ろうよ!」イベントが3月7日と14日、鶴来観光協会などの主催で開催された。参加者は加賀一の宮駅までの約30分の電車の旅を楽しんだ後、白山比咩(ひめ)神社に正式参拝した。

趣のある「加賀一の宮駅」

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 北陸鉄道石川線は1915(大正4)年創業の歴史ある路線。終点の「加賀一の宮」駅は、全国約3,000の白山神社の総本宮・白山比咩(ひめ)神社の表参道駅で「ふるさとの駅100選」(淡交社、1995年)にも選ばれている。しかし、現在は同線の利用客が激減し、鶴来駅~加賀一の宮駅間は廃線の危機にある。

 白山市は2005年2月に1市2町5村が合併して誕生した新しい自治体。同線は同市の山間部にあたる鶴来地区の交通機関で、他の地区の住民にはなじみが薄い。そこで、日常生活で同線を利用しない市民を対象に、沿線の風景にふれ、白山比咩神社を中心に広がる鶴来の歴史的な魅力を体感してもらうことを目的に同イベントが企画された。

 当日の参加者約40人は、石川線各駅から電車に乗り込み加賀一の宮駅へ。車内では観光ボランティアガイドが、石川線の歴史や沿線風景、建築史的価値のある駅舎などについて説明した。加賀一の宮駅に到着した一行は、表参道から白山比咩神社へと徒歩で向かい、神社拝殿で神職からおはらいを受けた。昼食後に手取川七ケ用水記念館を見学した後、石川線や鶴来の魅力について感想や意見交換を行った。

 イベントに参加した60代の女性は「表参道から白山比咩神社に参拝するのは初めて。厳かな気持ちになった」と、地域の魅力を再確認していた。

 同イベントには白山市地域再生マネジャーを務める地域振興研究所の堀田哲弘さんも同行。「鶴来地区はかつて宿場町として栄えた白山麓を代表する歴史あるまち。近年どぶろく特区の認定を受け、観光のまちとしても注目されている。同地区のにぎわい創出に石川線は欠かせない。電車で訪れるからこそ分かるまちの魅力を、多くの方に知ってほしい」と話す。

 鶴来観光協会では「電車に乗って石川線を支える運動」を展開しており、同線を利用して参加すると特典が受けられる観光イベントを多数実施している。

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