金沢大学、街中に「よろず保健室」開設-地元不動産会社と産学連携で

開所を待つ「よろず保健室」

開所を待つ「よろず保健室」

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 金沢大学(金沢市角間町)は4月1日、金沢市内に地域密着の「よろず保健室」を開く。医療行為でも介護でもない、心と体の健康維持を目的にした国内初の試みという。

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 場所は、石引2丁目「宇野ビル」2階。学生向けの賃貸物件を多数仲介する苗加(のうか)不動産(石引1)が地域貢献活動の一環として家主から借り上げ、無償で提供する。

 石引町の商店街に面し、同大学病院の目の前でもある同所は、患者やその家族をはじめ、古いまち並みからも高齢者などが多い場所。3月24日の開所式では、同大学保健学系教授で同保健室長の清水順市教授が「地域貢献する開かれた大学を目指し、地域住民と学生の交流や暮らしの情報交換の場にしてほしい」とあいさつ。同大学保健学系の教授、准教授、講師、看護師、院生、学生らで運営し、随時増員していくという。運営責任は金沢大学学長と苗加不動産の役員が担う。

 同所の主な活動として、学生が住民とともに、藩政時代に独特に火除け地として設けられた空間である「広見」や、味わいのある「坂」をはじめ、「祭り」「寺」「樹木・草木」といった、心と体の健康維持に役立つ地域資源を「健康シーズ」(健康の種)として探索。「健康財産マップ」(ウオーキングマップ)を作成するほか、基礎体力検査や簡単な運動のヘルスアップチャレンジやレクリエーション、健康相談などを看護師や学生が当番制で行う予定。

 そのほか、心と体の機能評価を目的に、脳波の波形測定ができる最先端機器の導入も予定するなど、大学ならではの研究的側面を併せ持つ同所。核家族化で高齢者と接する経験の少ない学生たちの人間形成の場としても期待しているという清水教授は「今は教室空間の延長としての位置づけだが、いずれはカリキュラム化もしたい」と教育的効果の創出に意気込む。

 開所時間は、月曜~水曜・金曜=11時~14時(看護師らによる健康相談)、木曜=12時~15時(清水教授によるリハビリ相談と健康体操)を予定。料金や予約は不要。問い合わせは清水教授(金沢大学医薬保健研究域保健学系、TEL 076-265-2634)まで。

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