創業180年の老舗糀店がみそ作り教室-本物の味を次世代に

ひがし茶屋街の老舗「高木糀商店」

ひがし茶屋街の老舗「高木糀商店」

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 金沢の人気観光スポット「ひがし茶屋街」に180年間続く糀(こうじ)店「高木糀商店」(金沢市東山1、TEL 076-252-7461)が2月20日、地域住民を対象にみそ作り教室を開いた。

みそ作り教室の様子

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 同店は糀屋として江戸時代から続く老舗。重厚な柱や梁など創業当時の趣をそのまま残す築180年の建物は、金沢市の指定保存建造物になっている。同店では現在、金沢人が好むというきりっとした辛口の「杉桶みそ」と、糀の甘みを生かした「花街みそ」の2種類を製造販売。店舗は茶屋街のメーン通りから少し外れる場所にあるが、土産にみそを求める観光客が後を絶たない。

 店を切り盛りするのは八代目に当たる高木竜(りょう)さん、真利子さん夫婦。「国産原料だけを使い、木おけで天然醸造されているみそは今や総生産量の1.6%しかない」(同店)といわれる中、全工程を手作業で行い、杉おけでじっくり熟成させる昔ながらの製法を守っている。作業場にはレンガ造りのかまどが据えられ、昔ながらのみそ作りの道具が整然と並ぶ。

 みそ作り教室は、高木さん夫婦が「長い歴史の中で受け継がれてきたみそ作りの技術と本物の味を、若い世代の方に伝えていきたい」と今年初めて実施したもの。この日集まった9家族約20人の参加者は、竜さんの指導の下、煮大豆をつぶし、あらかじめ塩を混ぜ込んだ糀と一緒に練り、容器に詰めるまでの仕込み作業を体験した。この時期に仕込んだものは秋口から食べごろになるが、熟成が浅い若いみそも、数年寝かせたみそも、それぞれに味わいがあるという。

 作業終了後は竜さんから「温度変化が少ない涼しい場所に置くこと」「毎年同じ場所に置くと、発酵に欠かせない菌がその場所に住みつき、発酵しやすくなる」とアドバイスがあった。

 「今日参加した方々から、みそ作りの輪がどんどん広がっていってほしい」と話すふたり。みそ作り教室は毎年恒例のイベントにしていくという。

 高木糀商店は糀とみそのほか、甘酒、かぶら寿し(冬季)を扱う。営業時間は9時~17時。無休。

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