金沢の観光地としての歴史をひもとく企画展「金沢を旅する」が現在、金沢くらしの博物館(金沢市飛梅町)で行われている。
写真や絵はがき、絵地図など、明治~現代の資料約280点を企画展示室に並べる。展示の一部は「金沢市旅館ホテル協同組合」の協力を得た。同組合は江戸後期に6軒の旅籠(はたご)によって結成された「金沢旅籠屋組合」が発祥で、今年で創立160年となる。
明治になって加賀藩の兼六園が一般開放され、尾山神社に神門が建てられるなどによって、金沢城周辺や神社仏閣が観光名所としての始まりとなった。その後は、米原からの鉄道が金沢まで延伸し急速に近代化が進んだことや、陸軍第九師団が設置されたことなどから、観光客よりもビジネスや軍関係の旅行客が多かったという。
大正時代には路面を走る市電が開業し、沿線に旅館が多く作られた様子や、郊外に延びた市電と連動した「粟崎遊園」や「濤々(とうとう)園」などのレジャー施設開設が相次いだ様子を、当時の観光鳥瞰(ちょうかん)図で紹介する。
昭和初期の地図からは、軍の施設があった金沢城の周辺や、病院のある石引、遊郭に近い地域などに旅館が集中していたことが分かる。当時は駅に汽車が到着する時刻になると各旅館の出迎えがあり、その際に掲げていた「歓迎旗」も展示する。
戦後は団体旅行や個人旅行が増え、戦災を免れた街並みを観光するブームが起きて現在に至る様子が分かるパンフレットやガイドブックなどを展示する。中には、多くの観光客を呼び寄せた大河ドラマやアニメに関する資料も。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。入館料は一般=310円、65歳以上=210円、高校生以下無料。8月23日まで。6月27日は11時と14時にギャラリートークがある。