トークイベント「能登の創造的復興を考える」が1月15日、しいのき迎賓館(金沢市広坂2)で行われた。主催はリノベーション協議会。会場には学生や行政、金融などさまざまな分野から60人ほどが集まった。
パネルディスカッションに登壇した浅野大介石川県副知事は「復興に向けて、アートや駅伝などのイベント、オーベルジュやレストランの活用など、旅行客に能登を巡ってもらう施策を議論している」と話す。一方、「宿泊施設が少ないので古民家活用を検討しているが難航している。公費解体から救った古民家も500軒ほどあり、どう利活用するかを考えているが、家の持ち主のさまざまな事情や家族の思惑などがあって難しい」と明かす。
巻組(宮城県石巻市)の渡邉享子社長は「石巻では東日本大震災の復興住宅を5000戸近く建てたが、今では人口が3万人減った。能登を含め、今後の復興事業は人口が減る前提で考える必要がある」と話す。同社で古民家を活用したシェアハウスをつくったところ、クリエーターが改装してスタジオとギャラリーを運営するなど、個性的な生活を楽しむ人が集まっているという。「家を管理できない人や、所有するが住んでないという人は能登でも多い。古民家を使った新しいライフスタイルに関心がある人など関わりたい人を増やすこと、そのための仕組みをつくることが重要」と訴える。
「ないものねだり」ではなく「あるもの」を見つける必要があると訴えるのは、ブルースタジオ(東京都中央区)専務の大島芳彦さん。「文化や景観だけではなく、そこに住まう人たちの人的資源にも目を向けることが重要」と話し、空き家の再生事業で地域の人が自由にミシンを使えるスペースを備えたゲストハウスを造ったほか、小さな店を出せるスペースを併設する住宅を造るなど、住人の特徴を生かして交流を生み出した事例を紹介した。