11月6日に解漁となった石川県産ズワイガニ「加能ガニ(かのうがに)」が、翌7日から市場やスーパーの店頭に並び、冬の味覚を求める地元住民や観光客の人気を集めている。「市民の台所」として知られる近江町市場(金沢市上近江町)では威勢のよい市場の売り子の声が響く中、熱心に品定めする買い物客が多く訪れ、活気づいている。
「加能ガニ」は石川県漁業協同組合(JFいしかわ)が昨年、県産ズワイガニをブランド化し全国にPRするため、加賀の「加」、能登の「能」からネーミング。全国的にも知名度が高まりつつある。今シーズンの解禁当初はシケで出漁を見合わせた船などもあり、昨年に比べ漁獲高が低く価格は高めとなった。「加能ガニ」は1匹3,000円~20,000円台で、雌の「香箱ガニ」は800円~3,000円。卸値は昨年より2割ほど上がっているという。「シーズンに入り、漁獲量が増えれば価格も落ち着いていく見込み」(同市場関係者)。
同市場ではこの時期、鮮魚店のみならず八百屋でも「加能ガニ」を扱うほど人気が高く、買い手の観光客が、売り手の店員との掛け合いを楽しみながら買い物する姿が見られる。一定の基準で選別されたカニには水色のタグが付けられているのが特徴で、「このタグが石川県産の品質の保証。価格差は身の詰まり具合などに差があるためで、予算に合わせて各店をハシゴして納得のいく買い物をしてほしい」(カニ専門店店主)という。
観光や出張で金沢を訪れた人からは、「せっかく金沢に来たので石川県産のカニを土産にしたい」「石川県産のズワイガニが『加能ガニ』という名前とは知らなかった」「生のカニは若干安く買い得だが自宅でうまくゆでられるか心配」「自宅用には足折れのカニなどのほうがお得感がある」など、さまざまな声が聞かれる。
同市場の営業時間9~17時30分ごろまで。日曜・祝日休場。カニ漁は「香箱ガニ」が来年1月10日まで、「加能ガニ」は1月末ごろまで。