全国で人気を集める「世界のCMフェスティバル」が11月9日、金沢市民芸術村(金沢市大和町1)で初開催された。世界各国のCM60万本の中から選りすぐられた傑作200本が上映され、昼・夜の2部制で総勢200人がユニークなイベントを楽しんだ。
自ら作品選びから字幕翻訳まで手がけるプロデューサーのジャン・クリスチャン・ブーヴィエさんのユーモアあふれるMCと、バンドの音楽がにぎやかに会場を盛り上げて幕開け。今年のカンヌ国際広告祭グランプリ作品を含む「もう一度見たいCM」「世界の最新CM」などが次々と上映された。コミカルで笑えるものからメッセージ性の強い作品まで幅広いジャンルで、単なる「広告」を超えた各国文化を色濃く反映した作品も多い。上映の合間には、東京で活躍するピアニスト・宮嶋みぎわさんとボーカリストyukiさんがスペシャルライブを行い、ブラジルテイストのサウンドが観客を魅了した。
パリの「ジャンマリーフィルムライブラリー」では30年以上かけて世界中から集めた60万本のCMフィルムを所蔵し、「La Nuit des Publivores(CM食らい放題の夜)」と題して世界ツアーを行っている。この日本版が「世界のCMフェスティバル」で、1999年に福岡で開催されて以来今年が10年目、全国の20都市で開催される予定。
同フェスは「ただ見て楽しむ」だけではなく観客参加型をコンセプトにしているのが特徴。カラフルな風船が舞う中、音のなる「パチパチ」を拍手代わりにお祭り感覚で楽しむことができ、各地で毎年来場するリピーターもいるという。金沢事務局の栗田恵子さんは「このイベントに芸術村はピッタリだと思った。楽しい会場のムードに、来年からも続けて開催したい」と話す。