金沢港と韓国・釜山港を結ぶ国際定期フェリーの初便が6月17日、観光客らを乗せて金沢港に到着した。18日には折り返し便が釜山港に向けて出発し、これまでの国際貨物船に国際フェリーが加わったことで、金沢港の国際化に一段と拍車がかかる。
国際定期フェリーは、函館市に本社のある東日本フェリーが、釜山市のパンスターラインドットコムに委託して週1便運航するもので、16日に釜山港を出港し、17日午前、金沢港に入港。初便では、旅行客ら98人と貨物20個(20フィートのコンテナ換算)が到着した。
初便の入港に合わせて金沢港で就航記念式典が行われ、金沢港振興協会長の深山彬金沢商工会議所会頭があいさつし、谷本正憲知事や山出保金沢市長、韓国の金忠慶新潟総領事が祝辞を述べた。谷本知事は「これからが大事であり、旅客と貨物の拡大に努めたい」、山出市長は「韓国から多くの人が訪れるよう、魅力あるまちづくりを進める」との考えを示し、東日本フェリーの古閑信二社長が安全運航を誓った。戸水埠頭では金沢市大徳地区に伝わる地域芸能「もっくり太鼓」が披露され、無量寺埠頭では地元町会などが歓迎の横断幕を掲げた。
初便で着いた乗客は早速、兼六園や金沢城公園などの観光地に向かった。「フェリーは運賃が安いので経済的」「アトラクションが楽しくて船旅は飽きなかった」と、21時間余りの長旅にも疲れた様子はあまり見られなかった。観光地視察に訪れた韓国の旅行会社の一行は、「金沢は豊かな自然と長い歴史があり、東京や大阪とは違う魅力がある」と話し、フェリーを利用した旅行商品の開発に意欲をのぞかせた。
18日の折り返し便には117人が乗船し、貨物14個(同)が積み込まれた。10月から、フェリーは釜山港の西方約50キロにある馬山港まで延伸し、貨物輸送が本格化する予定。
金沢~韓国・釜山間に初の国際フェリー、6月16日就航へ(金沢経済新聞)金沢港の中国航路が週3便に-中国向けコンテナ増に対応(金沢経済新聞)金沢港振興協会東日本フェリー