工芸、食、まちなみ、芸能を組み合わせて金沢の魅力を発信するイベント「かなざわ燈涼会(とうりょうえ)2014」が8月7日から、東山、主計町、下新町、尾張町、袋町かいわいでスタートした。主催は公益社団法人金沢青年会議所。
同イベントは今年で5回目。作家とギャラリーのコラボ工芸展「浅野川工芸回廊」、金沢の食文化と工芸を組み合わせた食談「趣膳食彩」、伝統芸能と革新的パフォーマンスを披露する「月見コンサート」、同回廊出展作家の器で茶をふるまう「燈涼茶会」など、多彩なイベント構成で展開する。
「趣膳食彩」は、金沢を代表する名店と作家が共演し6会場で開催される。今年から各会場にコーディネーターが加わり、演出を手掛ける。
老舗料亭「杉の井」(金沢市清川町)では8日、モダンな作風で人気の漆芸家 赤木明登さん、金沢21世紀美術館の秋元雄史館長を迎え、陶芸家の大樋年雄さんがコーディネートを行う。赤木さんが考案した、気軽に茶を楽しめる「モバイル立札茶会」も催され、新しい茶空間の構築にも注目が集まる。
前田家家老旧横山家迎賓館「辻家庭園」(金沢市寺町)でも同日、新進気鋭の日本画家 佐藤俊介さんによるびょうぶを立てまわし、陶芸家の竹村友里さんの作品が展示されるなか、ソプラノ歌手の直江学美さん、ピアニストの田島睦子さんによるリサイタルが行われる。伝統的な空間での音楽とアートの融合が見どころ。演出は、市内にあるギャラリーオーナーの本山陽子さんが手掛ける。
10日には、ひがし茶屋街のメーンストリートに位置する「旧蛍屋」と日本料理店「十月亭」を舞台に、陶芸家の中村卓夫さんの作品と映像クリエーターのモリ川ヒロトーさんの映像と音楽がつくりだす空間で、紫派藤間流師範・藤間信乃輔さんの舞踊が披露される。ギャラリー点ディレクターの金田みやびさんが演出を担当する。
このほか、各会場で個性的な作家、クリエーターらが顔を合わせ、金沢の魅力を存分に伝える。同会議所 金沢の文化経済創造委員会委員長の和田清児さんは「これまで以上に見せ方にこだわっており、この日のためだけに用意されたスペシャルな空間を、五感すべてを使ってたっぷり楽しんでほしい」と呼び掛ける。
今月10日まで。詳しくはホームページで確認できる。