金沢大学教育学部付属小学校の児童が発案した文具「ペンケース＜D-project＞（ボックスタイプ）」が発売から3カ月たった現在、好調な売れ行きを見せている。

　商品としての同ペンケースは、同校6年生の児童を対象に、産学交流活動の一環として「コクヨS＆T」（大阪市）の商品開発担当者が講師となり、身近な学童文具を題材に、そのデザインや機能の検討、市場調査、プロモーション企画などに取り組む「仕事体験授業」の中から昨年12月に生まれたもの。

　素材にエナメル調の合成皮革を使用して光沢を持たせ、本体にラインストーンを貼り付けたりポケットにカラフルなカードを入れるなどして、小学生が自分で好きなデコレーションを楽しめるのが特徴。

　商品名にある「D-project」とは、メディア教育開発センターの中川一史教授が主催する、全国の小・中・高・大学の教職員有志からなる研究会の呼称で、「デジタル」「デザイン」の2つの「D」をキーワードに、子どもの学びを見つめて授業をデザインし、提案したいという願いから2002年4月に発足した。

　ペンケースが商品化されるまでに約半年の期間を要したが、関わった児童たちも、その仕上がりにとても満足しているという。また、当初の販売ターゲットを小学生としていたが、思いのほか中・高校生を中心に売れているとも。

　同社担当者の清水さんは「アイデアを実現する際、越えなければならない壁がたくさんあったが、子どもたちの素晴らしい企画力に負けないよう、できるだけアイデアに近い形で商品化できるように頑張った」と振り返る。

　価格は1,260円。色はピンクと白があり、コクヨショーケースの通販でも販売している。

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