ギャラリー「金沢アートグミ」（金沢市青草町、TEL 076-225-7780）で現在、4周年を記念する企画展「木村了子 Ma Petite Aventure－王子さまをみつけにー」が開催されている。

企画展「木村了子 Ma Petite Aventure－王子さまをみつけにー」会場

　木村了子さんは、日本画の技法で東洋の美男子を描く画家。ファインアートとしてイケメンを描くスタイルで活動している。女性目線による男子の爽やかなエロチシズムの表現には定評があり、王子様や人魚、ターザン、カウボーイなどファンタジックな男性像を、過去と現在・和と洋を絶妙に交差させながら描く独特の画風が特徴。東京在住の木村さんにとって、金沢では初の個展となる。

　会場には、木村さんの近作・新作の絵画とインスタレーション12点が並ぶ。来館者が刹那的な恋の冒険を疑似体験するような空間づくりを目指した。「常に他者から見られることを意識し立ち振る舞う『美しい男性』＝イケメン」について、「女心をかきたてる彼らは、リアルでも二次元でも世に氾濫し、その美しさを謳歌（おうか）している」という木村さん。会場全体を宝探しの旅に見立て、イケメン・ファンタジーランドに迷い混んだ物語性を創り出す。

　金沢の地での個展とあり、もともと古九谷ファンだったという木村さんが滞在中、初めてチャレンジしたのが九谷焼の絵付け。伝統文化に絶妙に溶け込んだ「木村ワールド」を象徴する皿のほか、地元の金箔（きんぱく）を使用した作品、近江町市場から発想したという人魚群のインスタレーションも見どころ。

　関連イベントとして、楽しみながら男性の肉体を描くワークショップ「イケメン？モデル・デッサン」（7月7日、14時～、参加費＝1,000円、要予約）を予定するほか、同展に合わせオリジナル制作したグッズの販売やクイズコーナーも。

　開館時間は10時～18時。水曜定休。7月16日まで。