兼六園近くの紺屋坂(こんやざか)で、珍味と和菓子、いなりずしという異分野の3社がタッグを組んで運営する新しい土産物店「金澤(かなざわ)兼六屋」(金沢市兼六町、TEL 076-254-0160)が営業を始めた。北陸新幹線金沢開業に向け、3社は同店から新たな名物を生み出そうと、コラボ商品を検討している。
3社は、珍味や水産練り製品を製造・販売する笠井食品(米泉町8)と、和菓子製造・販売の「焼まん本舗 越山甘清堂」を経営する越山商店(武蔵町)、炊飯事業を展開する加賀守岡屋(加賀市)。
2014年度末に予定されている北陸新幹線金沢開業を念頭に、観光客に自社ブランドを周知させたいと意欲を燃やす笠井食品と、金沢城の天守閣をイメージして作った半生菓子を同城近くで販売したいと希望する越山商店、観光地に直営の小売店を持ちたいと願う加賀守岡屋の各社長が意気投合し、共同店舗開設にこぎ着けた。オープン日は3月10日。
広さ約50平方メートルの店内は、各社の個性を生かすため、企業別の3コーナーに分け、ゴリのつくだ煮、珍味類、和菓子、油揚げにすし飯を詰めて焼いた「焼きいなり」、すしを柿の葉にのせた「柿の葉寿し」など約50種類を並べた。休憩所も設けている。
土曜・日曜・祝日や繁忙期には、加賀野菜入りのさつま揚げや焼きいなり、みたらしだんごの実演販売を行っており、観光客らが揚げたて、焼きたてを頬張る姿が見られる。今後は、ソフトクリームや野菜のフレッシュジュースも販売する予定。
共同運営の象徴となるコラボ商品はまだなく、社長たちが定期的に集まって意見を交わしている。笠井食品の若林佳生社長は「金澤兼六屋として、3社が共同で開発した商品を売れたらいい」と、他店との差別化に熱意を見せ、加賀守岡屋の守岡伸浩社長は「共通の素材で商品を作ったり、互いの作ったものを足したり、ということも考えられる」と構想を練る。
また、越山商店の徳山康彦社長は「店舗の前でだんごを売るなど、お客さまに投げ掛けていく動きのある店にしたい」と、運営の抱負を語る。
営業時間は9時~17時。