金沢芸術創造財団などは12月から来年1月にかけて、金沢市と高岡市、東京都で新作オペラ「高野聖」の公演を行う。6月26日には金沢歌劇座(金沢市下本多町)で合唱団のオーディションが行われた。
高野聖は金沢の三文豪の一人、泉鏡花原作の耽美小説で、修行僧が山奥の一軒家で妖しい美女と出会い、異様な一夜を過ごすというストーリー。オペラ版は演出家で劇作家の小田健也さんが台本を執筆した。作曲は黒澤明監督や今村昌平監督の映画、NHK大河ドラマの楽曲などを手掛け、幅広く活躍する池辺晋一郎さん。総監督は大賀寛さん、指揮は大勝秀也さんが務め、主役の上人はテノール歌手の中鉢聡さん、女はソプラノ歌手の川越塔子さんらが演じる。
26日のオーディションでは、バックコーラスや効果音を担当する合唱団を選んだ。公募に応じた県内の男女と主催者側が出演を要請した地元団体の計28人が参加し、ピアノ伴奏に合わせ、自ら選んだ日本歌曲を歌った。審査員を務めた小田さんと大勝さん、合唱を指導する香田裕泰さんは応募の動機などについて尋ね、参加者は舞台に懸ける意気込みを語った。
中には審査員が聞きほれる美声の持ち主もおり、歌い終わると「素晴らしい」と称賛の声が上がった。
合唱団は40人構成で、この日のオーディション参加者全員の出演が決まった。今後、追加募集を検討する。練習は8月4日から、金沢市民芸術村(金沢市大和町)で週1回程度行う。
オペラ「高野聖」公演は12月9日に金沢歌劇座、同12日に高岡市民会館(高岡市)、来年1月21日・22日に新国立劇場(東京都渋谷区)で開催される。