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元クリスタルキングの秦さん、七尾に音楽制作事務所設立

嶋さん(中央奥)にボーカルを指導する秦さん(中央手前)

嶋さん(中央奥)にボーカルを指導する秦さん(中央手前)

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 ロックバンド「クリスタルキング」の元メンバーで、芸能界を引退し現在は七尾市内で讃岐うどん店を経営する秦好樹さん(47)が5月17日までに、音楽制作事務所を設立した。プロミュージシャンを目指す高校生から20代までの男女7人にレッスンを行っており、今年秋には、このうち女性2人がインディーズでCDデビューする。

嶋さん(中央奥)にボーカルを指導する秦さん(中央手前)

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 ベーシストの秦さんは20歳の時に「イモ欽トリオ」のバックバンドに選ばれ、コンサートでヒット曲「ハイスクールララバイ」などを演奏した。クリスタルキングには29歳の時にリーダーのムッシュ吉崎さんに誘われ、3代目ベーシストとして参加。約7年間にわたって活動した。この間、テレビアニメ「北斗の拳」の主題歌をレコーディングしたほか、コンサートでは「大都会」も披露したという。同時期にカラオケやゲーム音楽の制作、新人ユニットのサウンドプロデュースも手掛けたが、ベースの弾き過ぎのため右手の中指が動かなくなり、36歳で芸能界を引退した。

 うどん店の経営を思いついたのはこの時。本場・香川県内の店で1年間修業し、42歳の時、母親の郷里である七尾市内で念願の店を開いた。「石の上にも3年」のことわざに倣い、経営が軌道に乗るまでは、と音楽への思いを封印していた。その後、順調に客足が伸び3年以上が経過したため、今年2月、音楽制作事務所「エア・フォース・ミュージック」を設立。二足のわらじで音楽業界に復帰した。

 レッスン中の7人のうち、先陣を切って今秋、インディーズでデビューするのは、七尾市在住の芸名・愛希さん(26)と中能登町在住の同・由宇さん(26)の女性ボーカルユニット。秦さんの知り合いのシンガー・ソングライターが作詞作曲した「ふたり」「素直になれる」をカバーする。「ふたり」は恋人との別れを歌った歌詞で、「素直になれる」は未来への希望を感じさせる元気で明るい楽曲。秦さんは「ビジュアル系やかっこいい曲は都会のミュージシャンに任せて、石川県は地方らしい温かい曲がいい」と話す。2人は、仕事の傍らレッスンを積み、収録を進める。

 このほか、羽咋市在住の会社員、嶋めぐ美さん(23)と金沢市在住のブライダルカメラマン、亀井真実さん(23)は近く、東京でバンド活動を始める計画。2人は金沢市立工業高校の同級生で、当時からバンドを組んでメジャーデビューを目指していたという。東日本大震災が発生したため、現在、東京行きを延期しており、ボーカルの嶋さんは秦さんから、ギターの亀井さんは同事務所のスタッフでギタリストの石江喜代志さん(46)から指導を受けている。亀井さんは「曲を聞いてくれた人が元気になる音楽をしたい」と夢を語る。

 秦さんは「自分の若いころを見ているようだ。僕も高校時代から絶対にプロになると決めていた。彼女たち、彼たちも絶対にプロになれる」と温かい目で見守る。

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