アウトドアスポーツ用品企画・製造・販売の「モンベル」(大阪市西区)は現在、羽咋市にある同社流通センターで東日本大震災の被災地に送る救援物資を受け付けている。同社では、社員とボランティアとで義援隊を作り、既にトラック1台分を避難所となっている仙台市の小学校に届けており、今後も発送を続けるという。
全国から届いた救援物資。段ボールいっぱいに衣料などが詰められている
同社は阪神大震災の際にも同様の支援を行っており、東日本大震災発生後はホームページを通じ、全国から寝袋や防寒衣料、洋服、食料などを募るとともに、同業他社にも協力を呼び掛けてきた。送り先に指定した流通センターには、14日に段ボール箱約100箱、15日には約200箱が届き、社員4人が仕分けのうえ、「寝袋」「マット」「衣類男性」「衣類女性」「衣類子供」「食料」などと書いた張り紙をした段ボール箱に詰め直している。中には、被災者の疲労感を癒やそうと、菓子や小袋入りのインスタントコーヒーを詰めたものも。
荷物にはメッセージが添えられていることが多く、女性用衣類と帽子、ヘッドランプを送った埼玉県の女性は「少しでも多くの方が助かることを祈っています。そして、助かった方が早く安心できる状況になることを…」と記した。マットや雨具、椅子を寄付した京都府の男性も「何かのお役にたてれば幸いに存じます」と書いたメモを同封していた。
15日までに仕分けの終わった物資は段ボール箱約60箱分になり、今後、同社が寄付する約200箱と同業他社や取引先から託された約20箱とともに、トラック業者の車で仙台市の同社仙台店内に設けた「アウトドア義援隊現地本部」に運ぶ。その後は、社員とホームページ上などで募ったボランティアとで作る同隊が徒歩や自転車で各避難所に配布するという。
13日には、第一弾として同社広報部広報課長の佐藤和志さん(47)らが、約600人が避難している同市小松島小学校に防寒衣料や寝袋、毛布代わりにできるフリースの生地など約500点を届けた。
同市に滞在している佐藤さんは15日、金沢経済新聞の電話取材にこたえ、「今は原発の問題で屋内退避をしているところ。仙台市内はそれほど被害がないようだが、品物が供給されず、ダイエーにはオープン前から1,000人ほどが列を作っている。他の被災地ではもっと被害が深刻なところがあるので、安全が確認でき次第、トラックで物資を運びたい」と、じりじりした様子で話した。