石川県を舞台にしたテレビアニメ「花咲くいろは」が来春、放映されることになった。
(前列左から順に)声優の能登さん、小見川さん、伊藤さん、豊崎さん、戸松さん、(後列左から)堀川プロデューサー、安藤監督、nano.RIPE
「花咲くいろは」は、東京から祖母が経営する石川県の老舗温泉旅館に引っ越した女子高生・松前緒花(おはな)が、都会暮らしとは全く違う生活に戸惑いながらも職場の仲間とともに成長していく姿を描く青春ストーリー。
富山県を舞台にしたテレビアニメ「true tears(トゥルー・ティアーズ)」、劇場アニメ「映画レイトン教授と永遠の歌姫」などを手掛けた富山県南砺市の映像制作会社「ピーエーワークス」が創立10周年を記念して作る初のオリジナル作品で、主役の緒花の声は、声優の伊藤かな恵さんが担当する。金沢市出身の能登麻美子さんが旅館の仲居頭・輪島巴役で出演する。
同社は、実在の街並みを参考にしたリアルな背景描写を得意としており、作画のために幾度も取材に出向くことから近くにある石川県を舞台に選んだという。アニメの中には県内の実際の風景が登場する。主人公以外の主要キャストの名前にも、鶴来や押水、和倉、輪島といった県内の地名を付けた。
同社によると、アニメファンの間では作品の中に描かれた場所を当て、「聖地巡礼」と称して実際に訪れることが楽しみの一つになっており、公式サイトで公開中のプロモーション・ビデオについても、早くも場所を特定しようと試みるファンが現れているという。
12月5日には金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)で制作発表会が行われ、伊藤さん、能登さんら主要キャストと安藤真裕監督、プロデューサーを務める同社の堀川憲司社長が一般公募で集まった約150人を前に意気込みを語った。イメージソングを担当するバンド「nano.RIPE(ナノ・ライプ)」も演奏を披露した。
伊藤さんは「共感する部分が多い。緒花ちゃんと一緒に考えて作品を作っていけたら」と笑顔を見せた。