金沢白鳥路ホテル(金沢市丸の内)のロビーに登場した、友禅の小物を飾り付けたクリスマスツリーが訪れる人の目を楽しませている。加賀友禅作家や染色、のり置きに携わる職人らで構成するグループ「加賀友禅懇話会」のメンバーが、自身の作品を持ち寄り展示・販売する「平成友禅商店」の一環。
金沢のホテルに友禅のクリスマスツリー-職人が製作、伝統技術アピール
同グループは「加賀友禅といえば着物」と固定的なイメージが持たれることに対し、友禅文化の裾野を広げようと身近な小物の制作やワークショップを通して伝統技術と現代性を共にアピールする活動を続け、今年8月から同ホテルで毎月1週間程度開く同店で消費者に直接アピールする場を設けている。
ツリーはホテル側からの依頼を受け、メンバー10人が「金沢の伝統工芸の魅力と和のもてなしの心を伝えたい」との思いで製作し、「彩・YUZEN」と名付けた。加賀友禅の布地を使った来年の干支(えと)のウサギや雪だるまのオーナメント、シュシュ、手書きの短冊など約150個を飾り付けた。展示終了後には、飾り付けの一部を希望者に進呈する予定。
同店では、名刺入れ、ミニ額、カードケース、タペストリー、バッグ、Tシャツ、ガラス皿、ストールなどを展示・販売するほか、ミニ額(5,000円)やハンカチ(2,700円)を作るワークショップも開く。
加賀友禅作家で同会メンバーの太田正伸さんは「メンバーが協力し合い、和の風情を生かした友禅のクリスマスツリーに仕上がった。友禅の魅力を身近に感じてもらえるように、今後は来店者が参加できるような企画も予定している。ぜひ足を運んでもらえれば」と来場を呼びかける。
開催時間は9時~19時。12月12日まで。ツリー展示は今月26日まで。飾り付けプレゼントの希望者は、ツリー横に設置された用紙で応募する。