金沢エクセルホテル東急(金沢市香林坊2)で11月4日、「金沢中心商店街活性化フォーラム-北陸新幹線金沢開業に向けて-」が商店街や企業、行政の関係者、学生、一般市民ら聴衆約180人を集めて開かれた。来年3月に九州新幹線全線開業を控えた福岡、熊本、鹿児島のまちづくり協議会代表が「金沢に大人の大学を作ったらいい」などと提言した。
当日は、福岡・天神の再開発事業に携わる「We Love 天神協議会」の陶山秀昭理事長、熊本市の活性化に取り組む「すきたい熊本協議会」の泉冬星会長、鹿児島市の天文館地区でイベントを企画・運営する「We Love 天文館協議会」の牧野繁専務理事、金沢市商店街連盟の小間井隆幸会長、金沢学院大学の陶智子教授の5氏がパネリストととなり、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんがコーディネーターを務めた。
陶山理事長は「半径600~800メートルとコンパクトながら、8,500の店や施設が集まる天神の街に1日30万人、年間では1億人が訪れる」と紹介。山陽新幹線が博多駅に乗り入れた1975(昭和50)年から右肩上がりに買い物客が増え、交通インフラが順調に整備されたこともあって、この35年間で地区内の売り場面積、売り上げ共に3倍になったと説明した。
牧野専務理事は「九州新幹線開通によって買い物客は増えるだろうが、商店街の客の8割は地元の市民・県民。市民・県民を大切にしていかなくてはならない」と自戒を込めた。泉会長は、金沢が「全国でも希少な大人の遊びが残っている街」だと評価。「夜の東大を作り、1週間居続けたら鳴り物を教えてくれる、次の1週間は小唄を習得できるというようなことをすれば、リピーター客が来るのでは」と集客のアイデアを披露した。
これに対し、小間井会長は「片町商店街が率先して、大人の大学実施へ道を開けるよう頑張りたい」と答え、2014年度の北陸新幹線金沢開業によって年間31万人増えるとされる交流人口の獲得へ意欲をみせた。
また、陶教授は藩政期に武士や職人が暮らした中心商店街地域全体を「博物館」ととらえ、クラフト職人の仕事場などの開設を提案した。
席上、金沢中心商店街まちづくり協議会の山本隆文会長が「金沢5タウンズまんなか宣言」を読み上げた。