金沢市の柿木畠ポケットパーク(広坂1)と周辺のホテルや喫茶店などで「文化の日」の11月3日、本のイベント「ブックECO(エコ)金沢 街中フェスティバル」が初めて開催された。メーン行事の中古本の交換会では、来場者が市民から寄付された約7,000冊から好みの本を選んで持ち帰った。
今年が「国民読書年」であることなどから、同市内の企業経営者や会社員ら7人で作る「金沢企業人フォーラム」が企画した同フェス。「ブックECO」は、本のリサイクル・リユースを意味する造語だという。
中古本交換会には、あらかじめ市内の15公民館の協力を受け、地域住民から集めた新書や単行本、全集、児童書、コミックなど約7,000冊が用意された。本はテントの中に置いた机にずらりと並べられ、来場者が一冊一冊を手にとって品定めしていた。
本を寄付した市民は引き替えに受け取ったしおりを提示すれば、交換会の本を無料で持ち帰ることができる仕組みで、5冊、10冊と手に取る人の姿も見られた。本集めに協力していない来場者も会場で10円以上の募金をすることで、同様に気に入った本を手に入れることができ、「安い」と驚く人も。17時の交換会終了までに約4,000冊が持ち帰られた。
同フォーラムは残る約3,000冊を売却し、その利益とこの日集まった募金を金沢市に寄付して、生涯学習に役立ててもらうことにしている。
このほか、絵本ライブが行われ、ふるさとの泉さんらが幼児や父母ら約30人を前に、「へんしんトンネル」「ぴょーん」「おばけパーティ」などの絵本を読んだ。子どもたちはお話に合わせて、カエルのまねをしてジャンプしたり、声を合わせたりして楽しんでいた。
近くの喫茶店「もっきりや」では、大人向けの絵本ライブも開催。ろうそくのほのかな明かりの中、来場者は西ドイツの作家がペットロスの子どもの心の動きを書いた「ずーっとずっとだいすきだよ」などの話に聞き入った。
そのほか、参加者がお勧めの本を紹介し合う「ブックシェア&ブックトーク」、蔵書印作りなども行われた。