金沢でも「一箱古本市」-主計町の寺院会場に月1回開催へ

境内いっぱいに並べられた店舗。各店が箱一箱分の本を販売した

境内いっぱいに並べられた店舗。各店が箱一箱分の本を販売した

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 金沢の真言宗源法院(金沢市主計町)で8月29日、出店者が規定の箱1箱分の古本を持ち寄って販売する「一箱古本市@源法院」が開かれ、16組が出店した。9月以降も毎月1回開催する。

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 「一箱古本市」は、「並べる本が少ない方が出店者の個性が出る」との思いから、出店者1組あたりの本の数を規定の箱1箱分に限定した古本市。古書店に加え、一般の本愛好家も売り手として参加する。2005年にライターの南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さんが提唱し、自宅近くの東京・谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアを会場に始めた地域活性化のためのイベント。現在も同エリアで春と秋に計3日間実施している。期間中は各日50店舗が出店、約1,000人が来場するという。全国の本愛好家の間で話題となり、仙台や名古屋、福岡、広島など全国20カ所に広まった。

 金沢での開催は今回が初めてで、市内の3つの古書店が顧客や知人らに出店を要請し、準備を進めてきた。この日は県内のほか、富山県高岡市、福井県勝山市、兵庫県西宮市、東京都からカフェや古書店、雑貨店の経営者、絵本作家、一般の本愛好家と南陀楼さんら16組が、駅弁売りのケースを模した規定の箱などに本を並べて出店した。

 売り出されたのは、小説やノンフィクション、海外の有名作家の絵本、出店者の著書など約800冊。カフェの経営者は、毎月購読している雑誌のバックナンバーをまとめて販売。雑貨店主は「ブームになった時に買った」というフランスの作家アラン・グレの教育絵本やデザインの本を持参した。東京・文京区の古書店は、1935(昭和10)年に浩文社(東京)が定価2円で発行した「図案カット資料大集」に3,500円の値段を付け、南陀楼さんは「仕事場に積み重なり、『けものみち』と化している本の山から発掘した」という女子高生の非行の実態を追ったノンフィクションやCDを陳列した。映画関連の書籍や小説に特化した店もあり、同じ嗜好(しこう)の来場者が出店者と話を弾ませていた。

 発起人のブックカフェ「あうん堂本舗」の店主、本多博行さんは「出店者と来場者、あるいは出店者同士が本を通じてコミュニケーションを図る場所にしていきたい。いずれは近隣住民の方にも出店していただければうれしい」と話す。

 「一箱古本市@源法院」は毎月第4日曜の10時から16時ごろまで同所で開催する。出店料は1,000円。出店の申し込み・問い合わせは「あうん堂本舗」(TEL 076-251-7335)まで。

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