金沢市、学生専用の夜間無料バス用意-苦心の運行開始

金沢市が用意した山側ルートのバスに乗り込む学生

金沢市が用意した山側ルートのバスに乗り込む学生

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 金沢市は8月1日午前0時すぎ、市中心部から郊外に帰宅する学生を対象とした夜間無料バス「まちなか学生夜間バス」の運行を開始した。しかし、午前0時までに乗車を希望する学生はおらず、急きょ市職員が繁華街で声をかけて利用者を集め、発車させる苦心のスタートとなった。

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 同バスは、学生がかかわるイベントが市中心部で開催される日の翌日のみの運行で、学生証を提示すれば無料で乗車できる。市によると、土曜・日曜・祝日に大学がある郊外に向かう路線バスの最終便は、ほとんどが23時前後までに市中心部を発車する。このため、より遅い出発時間のバスを走らせることで、ゆっくりと市中心部で過ごしてもらい、街中ににぎわいを創出しようと計画した。

 市は1日あたり経費10万円をかけて、定員70人の2台を貸し切りにし、香林坊アトリオ裏のふらっとバス「仙石通りバス停」を出発して、金沢星稜大学、金沢大学、北陸大学近くを経由し、金沢学院大学方面へと向かう山側ルートと、金沢美術工芸大学周辺を通り、金沢工業大学に向かう南部ルートの2コースを用意した。

 同日は、前日に金沢青年会議所が主催する「趣都(しゅと)祭2010」がしいのき迎賓館(広坂2)などを会場に開催されたことから運行開始を決定。あらかじめイベントにかかわる学生の会合で説明したり、同祭のチラシや市のホームページに告知文を掲載したりして周知を図ってきた。しかし、市の担当者らが7月31日深夜から仙石通りバス停で乗客を待ったが、出発予定時間の8月1日午前0時を過ぎても1人も現れなかった。

 このため、市担当者が繁華街で学生たちに同バスをPRし、金沢大学の学生13人が山側ルートに乗車。バスは午前0時17分ごろ、ようやく出発した。乗客のいない南部ルートは運行しなかった。利用した学生からは「基本的にはいつもタクシーで帰るので助かった。これからも運行されるなら使いたい」と歓迎する声が聞かれた。

 金沢市歩ける環境推進課の中田栄課長補佐は「広報の仕方を含めて作戦を練り直す。事前に運行を知らせていた学生たちにも、なぜ利用しなかったのか、不便なところがあるのか聞きとりをしたい」と話した。

 同バスは現在のところ、8月21日の「金沢アカペラ・タウン2010」、9月18日~同20日の「金沢JAZZ STREET2010」などに合わせて運行を予定する。乗車の事前申し込みは不要。

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