寺掃除をアートに-美大生グループ「WAート」が草むしりで草木染

寺の周りにはカラフルなぞうきんを展示した

寺の周りにはカラフルなぞうきんを展示した

  • 0

  •  

 真言宗寺院「真福院」(金沢市芳斉2)で7月28日、金沢美術工芸大学の学生で作るグループ「WAート(ワート)」の「お掃除アートプロジェクト」が行われ、参加者が庭から抜いた雑草を使い、ぞうきんを草木染にして展示した。

寺の本堂などを掃除する参加者

[広告]

 同寺の護持職である中能登町能登部の長楽寺住職・北原裕全さんによると、同寺は加賀八家の一つ、長家が武運長久を祈る祈願所として江戸時代初めに穴水町の本家から移築したと伝えられている。現在は毎月21日に法要が営まれているが、それ以外はあまり利用されていないという。

 同グループでは、8月1日から同寺などを会場に、作品展「オルタナティブアートネットワーク2010 オデカケオテラ、オサンポホウサイ」を開催しようと計画し、その準備イベントとして、大掃除と芸術創作を兼ね合わせ今回のプロジェクトを企画した。

 同プロジェクトは、グループの学生と近隣住民らが寺を大掃除するとともに、庭の草むしりで集めた雑草やマツボックリなどを使って、ぞうきんを草木染にするもの。あいにく草むしりと草木染には住民の参加はなかったが、学生たちは雑草と染色用に別に用意したビワの葉を鍋に入れ、カセットコンロの火で熱してぞうきんを漬け込み、何色に染まるかを確かめて楽しんだ。

寺内部の清掃には近所の有志や同大教授らも加わり、約30人で本堂や玄関などをぞうきんでふき、掃除機をかけ、作品の展示会場としての環境を整えた。寺の周囲には掃除の間中、ピンクや紫、あい色、黄色などに染めたぞうきんが飾られ、通行人の目を引いていた。

 同大3年「WAート」代表の高崎洋祐さんは「暑かったこともあって来ていただけた住民の数は少なかったが、近くを通りかかった人には寺を活用していることを知ってもらえたと思う」と話す。北原さんは「寺院は不特定多数の方々の幸せに資する縁を結ぶ場所であってほしいと思っている。芸術活動に使ってもらうのは、その趣旨に合う」と、学生たちの取り組みを歓迎した。

 同プロジェクトは、金沢市の金沢学生まちづくりコンペティションで採択され、市の委託事業として行われた。「オデカケオテラ、オサンポホウサイ」は8月1日~29日、同寺と金沢アートグミ(青草町)で「WAート」の学生ら美大生と同大教授の彫刻・油絵作品を展示する。会場の一角には、草木染にしたぞうきんも並ぶ。期間中の日曜には、ワークショップや演奏会などのイベントも予定。

 開場時間は10時~17時(22日は同寺=12時から、28日は金沢アートグミ=15時まで)。水曜休場(同寺のみ21日も休場)。入場無料。

  • はてなブックマークに追加

ピックアップ

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース