金沢のしいのき迎賓館(広坂2、TEL 076-261-1111)の石の広場で7月23日、24日夜、「しいのきプティドゥシネマ 野外フィルム上映会」が開かれ、初日は親子連れら来場者約200人が夜空の下、チェコのアニメ映画を楽しんだ。
会場には、高さ5メートル、幅7.5メートルの大型スクリーンが用意され、昭和20年代製造の35ミリフィルム用映写機2台を使って、チェコの「ふしぎな庭シリーズ」の短編4話が上映された。
星はあまり見えなかったものの、ガラス張りの迎賓館から光が漏れ、時折心地よい風がそよそよと吹く野外劇場はムード満点。来場者は、中年の男が育てた子犬がゾウに、金魚がクジラに成長するというストーリーの「動物が好きな男」や、子ども4人がトラを捕獲しようとして逆に追いかけられる「トラをつかまえろ!」などに見入り、子犬がゾウに変身する場面では笑い声が起こった。
24日は、1953年のカンヌ国際映画祭グランプリに輝いた「白い馬」と、1956年に同映画祭パルムドールを受賞した「赤い風船」のフランス映画2本が披露された。
同館では同日から「映画ポスター・看板絵展」も始まり、東京の映画館「名画座」を経営する映画興行会社「ギンレイシネマックス」(東京都新宿区)が所蔵する映画ポスター450点と看板絵200点も展示されている。
このうち洋画のポスターは250点で、ハリウッドスターら海外の映画俳優が日本でもてはやされた1960~1980年代のものが中心。古いものでは、1920年代に制作・公開された喜劇王バスター・キートン主演の「セブン・チャンス」「キートンの蒸気船」も。邦画ポスターは200点で、黒澤明監督の「生きる」「羅生門」、特撮ものの「ゴジラ」、アニメの「宇宙戦艦ヤマト」「タッチ」などが並ぶ。
看板絵は、かつて映画の公開期間中、映画館の正面に展示されていたもののミニ版で、油絵の具で主演の男優、女優らを描いてある。友人や家族とともに訪れた来場者は「この映画を見た。懐かしい」などと口々に言い合い、ポスターや看板絵の前で思い出話に浸っていた。
映画ポスター・看板絵展の開場時間は10時~18時。入場無料。8月1日まで。