金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)市民ギャラリーで開催されていた「第36回石川県デザイン展」が10月18日に終了し、期間中は多数の来場者でにぎわった。
同展は、デザインによる豊かな生活環境を創造するとともに、デザインに関する新たなビジネスチャンスを生み出すことを目的に、県内のデザイナーやものづくり企業の多彩な作品を一堂に集めて行われたもの。今年は、今月11日から金沢で開催されている「おしゃれメッセ」の特別協賛事業として企画され、同展実行委員会によると、「こうした総合的なデザイン展が開催されている地域は全国でも数えるほどしかない」という。
会場は公募により選出されたプロのデザイン作品を展示する「コンペティション部門」、デザイン関係の学校より推薦された学生の作品を展示する「学生部門」、県内の企業、デザイン事務所の商品や活動を展示する「企業提案部門」の3部門に分けて構成。コンペティション部門には工業デザイン、工芸デザイン、コミュニケーションデザイン、空間デザインの4分野があり、1次審査を通過した213点の作品が展示された。
コンペティション部門で石川県知事賞に選ばれたのは、横山真紀デザイン室(小松市吉竹町)が出品した「金澤あぶらとり紙『四季の柔』」(コミュニケーションデザイン)。デザイナー独自の優しい感性で、広告、POP、パッケージを総合的にデザインしている点が高く評価された。金沢市長賞は、PFU(かほく市宇ノ気)のパーソナルドキュメントスキャナ「Scan Snap S1500/S1500M」(工業デザイン)が受賞。業務用スキャナーメーカーとして世界のトップシェアを誇る同社の「現代オフィスのニーズを的確にとらえたコンパクトな機能とデザイン」が認められた。