加賀友禅の着物などを扱う「ゑり華タテマチ本店」(金沢市竪町、TEL 076-261-9188)で現在、「花岡コレクション 時代銘仙展」が開催されている。
同展では明治、大正、昭和にかけて一般大衆の日常着・外出着として一世を風靡(ふうび)した織の着物「銘仙(めいせん)」約10点を展示している。戦後、着物から洋服への移行とともに急速に姿を消した銘仙だが、近年のアンティーク着物のブームで若い女性を中心に評価が再び高まっている。
「銘仙は明治時代まではしま模様が主流だったたが、大正時代に入ると技術の進歩もあって花が開き、アールヌーボーやアールデコの流行を反映した自由で大胆なデザインの着物が多数生み出された」(谷内智彦店長)という。
花岡コレクションは、同社会長でもある染織研究家・花岡慎一さんが収集した染織品のコレクション。江戸末期から昭和初期にかけて金沢を中心とする石川県の加賀地区で用いられてきたもので、その数は約2万点にのぼる。
同店では、歴史的に染織業が盛んな金沢に暮らしながらも着物文化にふれることの少ない世代にその魅力を知ってもらいたいと、店内に展示スペース「加賀染織工芸サロン」を設け、月替わりで企画展を開催。「気軽に見に来てほしい」と話す谷内さん。7月は「時代唐草文様展」を予定する。
営業時間は10時~19時。水曜定休。入場無料。今月28日まで。