石川県の希少伝統工芸である加賀象嵌(ぞうがん)を展示販売する「笠松加葉 加賀象嵌作品展」が7月24日、金沢の香林坊大和(金沢市香林坊1)6階ギャラリーKOHRINで始まった。
象嵌は金属の表面を彫ったところに別の金属をはめ込んで模様を作る金属加工方法。同展では、金沢美術工芸大学に在学中から人間国宝の中川衛さんに師事し、市内に工房を構える笠松加葉さんのアクセサリーや花器、香合など、さまざまな作品を展示販売する。
象嵌は京都と熊本にも産地があるが、金沢の加賀象嵌は厚みがある金属を使った深みのある表現が特徴とされる。藩政期に武具や馬具で使われて隆盛を極めたというが、石川県が希少伝統工芸として認定している現在は、配合によって色が異なる銅合金を使い分ける伝統的な手法などが金沢を中心に受け継がれているという。笠松さんは「加賀象嵌を専門に活動している作家は金沢には10人もいないと思う。認知度も低いので多くの人に見知ってもらいたい」と話す。
開催時間は10時~19時(最終日は16時まで)。7月30日まで。