金沢市内の企業とデザイナーが協力して1月14日、3Dコンピューターグラフィックのご当地キャラクター「たまひめちゃん」が誕生した。
「たまひめちゃん」は徳川家康の内孫で加賀前田家三代当主、前田利常の正室だった珠姫がモデル。江戸と金沢の仲を取り持つため、3歳で加賀藩に輿(こし)入れした背景があり、北陸新幹線開業に関連して東京~金沢間の橋渡しを、という思いも込める。キャラクターの持ち物などには伝統工芸品である加賀手まりや二俣和紙、輪島塗などが採用され、ロゴマークは加賀藩の梅鉢紋をアレンジする。
手掛けたのは、デザイナーのほんだしょうこさんと、印刷や3D関連の事業を行う宝文堂(金沢市黒田1、TEL 076-269-0750)。ほんださんは「珠姫は金沢市民にとっては知名度が高いが、全国的には埋もれた歴史上の人物。この機会に多くの人に知ってもらいたい」と話す。
石川県非公認キャラクターを名乗る同キャラクターの画像やデータは、ホームページ上から自由にダウンロードして使用でき、県内の企業は無料で商用利用できる。2月には市内の加賀手まり専門店が、公式グッズ「加賀指ぬき」指輪の製作を始めた。現在、県内の食品会社や和菓子店などもコラボレーション商品の製作を進めているという。宝文堂の古川博章さんは「市民が作るキャラクターとして、行政ではできない自由な発想で活用してほしい」と期待を寄せる。
今後はツイッターで県内情報を発信するほか、コスプレキャラクターとしての展開、3Dプリンターや3DCGソフトウエア向けデータの無料配信も予定する。