金沢市下本多町の金沢電気ビルホールで9月18日、同市出身の俳優・塩谷瞬さんをゲストに迎え、映画文化とまちづくりの関係を探るトークイベントが開催された。主催はNPO法人趣都金澤。
塩谷瞬さんを交えて行われた、映画とまちづくりの関係を探るトークセッション
塩谷さんは2002年に俳優デビュー。2005年に映画「パッチギ」に主演し、第29回アカデミー賞新人俳優賞、第27回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した。最近は映画や舞台のほか、東北大震災の被災地支援や海外の支援プロジェクトなどにも取り組んでいる。
第1部では塩谷さんが、「ふるさと金沢に何を返していけるか」と自問自答し、実際に地域の人とコミュニケーションをとりながら金沢の文化を全国に伝える活動に取り組んでいることを紹介。映画祭開催による金沢でのまちおこしの可能性についても触れた。
第2部では塩谷さんに加え、金沢のミニシアター・シネモンド支配人の上野克さん、金沢21世紀美術館交流課長の近藤恭代さん、趣都金澤専務理事の田中敬人さんが登壇し、それぞれの立場から映画の魅力と可能性について熱く語った。
映画とまちづくりとの関係について、上野さんが「まちは映画を見た後の『思い』を交換できる場」と話すと、田中さんが「若い人が足を運びやすい市中心部で、気軽に映画を楽しめるイベントを開催したい」と応え、まちの活性化と結びつく映画祭の開催に意欲を見せた。塩谷さんは、自身が15歳のときにロバート・デ・ニーロ主演の映画「タクシードライバー」を見て衝撃を受け俳優を志した経緯に触れ、「映画は人生を変える力がある。感性が柔軟な青少年期に、映画に親しむことができる環境があることが重要」と訴えた。