金沢・東茶屋街のお米BAR「東山みずほ」(金沢市東山、TEL 076-251-7666)の店内に現在、地元の若手金工作家・河野迪夫さんの作品が展示されている。
「石川県産のコメ」をテーマに2年前にオープンした同店、オーナーの川きみよさんが自らの足で県内の農家を巡り、約30種類ほど試食したコメの中から厳選の6種類を提供し、コメを最大限においしく味わうため用意された料理には地物素材をふんだんに取り入れる。風情漂う茶屋街で素材にこだわるスタイルが人気となり、現在では週末に訪れる客の9割が観光客という。「スタッフ全員を女性にすることで、女性客が一人でも気軽に立ち寄れるようにしたかった」と川さん。
川さんが店内で地元作家の作品展示を始めたのは、「若手作家に作品発表の場を」と尽力する友人で「ギャラリー点」(入江)オーナーの金田みやびさんの趣旨に賛同したのがきっかけ。「観光地としても人気の高い当店に展示することで、多くの人に見てもらえると思った」と話す。同ギャラリーで予定されている河野さんの個展(8月14日まで)に合わせた。
茨城県出身で金沢美術工芸大学を卒業した河野さんの作品は、何種類もの異なる金づちを用い、銅などの塊をたたいて形成する鍛金という技法で作られ、昆虫や魚などの生物からデザインを発想することが多い。
店舗面積約60平方メートルの落ち着いた雰囲気の店内で、テーブル席の背面壁に配置された河野さんの作品は間接照明により、そのフォルムが影として映し出される効果も狙う。川さんは「河野さんの作品は、シンプルで力強い。店の立地を生かして幅広くアピールできる場となれば。今後もさまざまな若手作家を応援していきたい」と期待を寄せる。
営業時間は18時~22時(土曜・日曜・祝日=11時~15時も営業)。日曜夜と月曜・第2火曜定休。8月21日まで。