金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)のデザインギャラリーで現在、展覧会「art-ZINE:冊子型アート・コミュニケーション」が開催されている。
金沢21世紀美術館で開催中の展覧会「art-ZINE」の会場風景
「ZINE(ジン)」は「FANZINE(FAN+MAGAZINE=同人誌)」を語源とし、表現したい人がコピーやプリンターなどで少部数を自主制作する小冊子のことで、1990年ごろからアメリカで普及した。冊子というアナログな形態でありながら、「誰でも・手軽に・安価に」制作できる自由度の高い表現メディアとして、現代ではネットを通じて世界各国のZINEショップで販売され、ユニークな発信媒体として注目されている。
本来は複数部数発行されるため、一品制作のアート作品やアート・ブックとも区別されるZINEは、既存の書籍流通システムを通さず、独自の流通で作り手と読み手をつなぐことから、新たなコミュニケーションをもたらすアート表現としての可能性が期待されている。
同展では、アートを表現するため制作されたZINEを「art-ZINE(アートジン)」と呼び、ライブラリー形式で自由に閲覧できるように展示し、コミュニケーションの場を創出する。一般応募で集まったart-ZINEを随時加えていく「アップデート・プログラム」となっている。
会場には、スイスの「Nieves」やイギリスの「Cafe Royal Books」など海外から集めたart-ZINEのほか、既に採用された一般応募の作品が並び、最終的に集まった作品を通して「art-ZINEとは何か」を考える内容になっている。
関連イベントとして、「ZINEの未来形 FANZINE・ZINE・art-ZINE」と題したシンポジウム(9月25日14時~16時、先着80人)のほか、ワークショップ「ZINEを作ろう」(7月24日・8月20日、各13時~16時)を予定する。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は、月曜日(7月18日・8月15日・9月19日は開場)と7月19日・9月20日。応募は9月23日まで。詳細は同館のサイトで確認できる。9月25日まで。