石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL076-262-2020)で現在、家具展「木-木が与えてくれた世界-」が開かれており、来場者が多種多様な天然木で作られたテーブルや椅子に触れ、その魅力を味わっている。
展示されているのは、キリ、ヒノキ、イチョウ、白山ヒメコマツなど15種類の木を使った84点。金沢市内に工房を構える家具作家、尾田伊生(よしお)さん(53)が手掛けた。
尾田さんは「家の中に森が出現するというイメージで、なるべく木の自然な形を生かした家具作りを心掛けている」といい、作品を通じて、それぞれの木の個性を比較することができる。イチョウは白く手触りも滑らかで、コウチンは茶褐色が愛らしく、クリは木目が特徴的。来場者は手で触れたり、座ったりしながら、感触を確かめている。
同館では、加賀市山中温泉が全国一の木地ろくろひき物産地として有名であるにもかかわらず、県内の一般家庭からは木工芸品が姿を消していっているのでは、と危惧する。木のぬくもりや風合いをあらためて感じ、木工芸を見直してもらおうと今回初めて家具展を企画した。
4月9日13時30分からはワークショップ「ミニちび太鼓づくり」(参加費800円)、17日と5月22日の10時からは同「キリンさんの窓飾り・ペーパーウエイトづくり」(同300円)を開催。予約不要。5月に「カスタネットづくり」も予定している。
開館時間は9時~17時。第3木曜休館。5月29日まで。