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加賀・山代温泉に「古総湯」オープン-明治時代の温泉文化を再現

山代温泉にオープンした「古総湯」の外観

山代温泉にオープンした「古総湯」の外観

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 加賀温泉郷の一つ、山代温泉に10月3日、「古総湯」(加賀市山代温泉、TEL 0761-76-0144)がオープンした。

山代温泉にオープンした「古総湯」の浴室

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 開湯から約1300年の歴史を持つ同温泉には、古くから共同浴場「総湯」を中心に旅館や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪(がわ)」という街並みが形成され、独自の温泉文化が栄えた。同地には魯山人や与謝野晶子などの文人墨客、湯治には明智光秀も訪れたと言われている。全国的にも珍しいこの街並みが、時代の変遷とともに姿を変えてしまったことから、地域を挙げて往時の温泉文化を蘇らせようと再生計画が決まった。

 第1弾として昨年8月、旧吉野屋旅館の跡地に利便性と快適性を高めた浴場「総湯」が完成、既に市民や観光客に親しまれている。続く第2弾としてオープンしたのが、元の総湯をリニューアルし、1886(明治19)年築の総湯を忠実に再現した同湯。

 シャワーやカランを使用しない当時の入浴方法を体験できる「体験型温泉博物館」をテーマに改築された同湯は、四方八方どこからも出入りのできる造りが特徴。こけら葺きの屋根や拭き漆(ふきうるし)による浴室の壁面、随所に施されたステンドグラスのほか、当時使用されていた九谷焼のタイルを地元作家の協力を得て復刻させ、壁や床にあしらうなど細部にもこだわる。期待される温泉の効能は、健康増進、疲労回復、慢性消化器病、慢性皮膚病、やけど、切り傷、動脈硬化症、冷え性、うちみ、五十肩、関節痛、筋肉痛など。

 同温泉では、温泉情緒にあふれ人々が行き交う温泉地の原風景を蘇らせようと、両総湯の建て替えと併せ、周辺店舗の改装や道路の整備、電柱の地中化など、「湯の曲輪」全体の修景整備も進めている。

 営業時間は6時~22時。入場料は、12歳以上=500円、6歳以上12歳未満=200円、3歳以上6歳未満=100円、3歳未満無料。同湯と総湯で利用できる共通利用券もある。第4水曜日午前中は休業。

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