石川県産業政策課(金沢市鞍月1)は5月27日までに、本年度の「石川ブランド優秀新製品」として62件を認定した。
県では、県内の中小企業がおおむね1年以内に開発した新製品・サービスのうち、技術性や独自性、市場性、安全性などで優秀と認めるものを「石川ブランド優秀新製品」として認定している。選ばれた製品は、販路開拓にかかる経費の補助やアドバイザーによる支援を受けられるほか、県と県産業創出支援機構のホームページ・広報で紹介される。本年度分を今年2月に募集したところ83件の申請があり、4月の審査会を経て62件が認められた。「石川ブランド」に認定された製品・サービスは本年度分も合わせ計680品目となった。
このうち、特に高評価を得た製品には、3つの部門別に金、銀、銅賞が贈られ、生活産業部門の金賞には、「谷口」(駅西新町2)の木と革を縫製して製作したバッグ・財布・名刺入れ「BOIS(ボイス)」が輝いた。同社は碁石を入れる「碁笥(ごけ)」の国内トップメーカーだが、近年、囲碁人口が減っていることから、原材料として使ってきた高級材の黒柿やタモを別分野に利用できないかと思案。クッションを挟むことで薄板と革をうまく組み合わせ、木目の美しい高級感のあるバッグ、財布、名刺入れを完成させた。
同部門銀賞は屋内外で使えるテント地のカーテンシャッター「アペリア」(スガモトテント)、銅賞は段差での衝撃を吸収する「緩衝キャスター V」(シシクアドクライス)が受賞した。
情報産業部門では、金賞が事業所や店舗が大型サーバーを設置することなく利用できる情報表示システム「CYBERMOTION(サイバーモーション)デジサイン」(サイバーステーション)、銀賞がパソコン、携帯電話、デジタルテレビ向けのホームページを同時に作ることができるシステム「儲(もう)かり君」(アール・ティー・シー)、銅賞は太陽光発電の効率などをシミュレーション計算できる省エネ住宅提案用ソフト「Madric EcoNavi(マドリックエコナビ)」(シーピーユー)。
機械産業部門では、デザインが美しいオートバイ用ドライブチェン「ThreeD(スリード)」(江沼チェン製作所)、太陽光発電パネルに使うシリコンの研削装置「Twin Grind Polish(ツイン・グラインド・ポリッシュ) 500」(ビービーエス金明)、旋盤の固定部の省エネ化を実現した「エコチャックと駆動装置」(松本機械工業)がそれぞれ金、銀、銅賞に選ばれた。
同課の競争力強化推進グループリーダー、柚森直弘さんは「消費者のライフスタイル、ニーズは変わる。企業には、生き残りのため、消費者の声を聞き時代のニーズに合った新しい製品を作るという視点を持ち続けていただきたい」と話す。