九谷焼と山中塗の腕時計、限定販売へ-陶芸家・漆芸家20人が制作

九谷焼と山中塗を文字盤に使った腕時計

九谷焼と山中塗を文字盤に使った腕時計

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 石川県の代表的な伝統工芸、九谷焼と山中塗の技法を文字盤に使った腕時計が3月28日から、石川県九谷焼美術館(加賀市大聖寺地方町1、TEL 0761-72-7466)で展示される。

1本ずつ異なる文字盤のデザイン

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 この時計は、加賀市の九谷焼陶芸家でつくる加賀九谷陶磁器協同組合が、「伝統工芸で、身に着けるファッションを作りたい」と企画した。今回は、九谷焼腕時計を初めて発売した2008年に続く第2弾。組合員有志15人に加え、山中塗の漆芸家5人も初めて参加した。時計は陶芸家と漆芸家20人が1本ずつ異なるデザインで仕上げた一本もので80本を限定販売する。

 九谷焼の文字盤は、直径3.5センチ、厚さ0.8ミリのアルミニウム製素地(そじ)に釉薬を0.1ミリ塗って1300度の高温で焼き、さらにその上に線を描き、色ガラスを0.2ミリ盛って800度で焼くという、皿や花瓶などと同じ工程で作られている。山中塗は、同じ素地の上に黒い漆を塗って乾かした後、茶色の漆で絵を描き、高蒔絵(まきえ)や平蒔絵、研ぎ出し、螺鈿(らでん)、卵殻などの技法で仕上げた。どちらも小さいながらも、本物の技が凝縮されている。重さは約50グラム。

 意匠は1本ずつ異なり、九谷焼では幾何学模様や、毎年夏に山代温泉で開催される「山代大田楽」の獅子舞を描いたもの、「吉田屋」の皿に描かれた六歌仙を模写したものなど40点をそろえた。山中塗は、アユやフクロウ、赤富士などをデザインした40点を用意する。現在、制作中のものもあり順次、完成させる。

 同協同組合の理事長山本長左さんは「古くさい伝統的な模様も、時計の中に入れることでリメークできるのでないかと考えた。ミドル層ばかりでなく、若い人、女性、外国の方にも身につけてほしい」と話す。

 ブランド名は「The Japanese Watch(ザ・ジャパニーズ・ウオッチ)」。価格は10万円~25万円。3月28日から4月3日まで同館2階の茶室で展示した後、4月15日から高間時計店(山代温泉、TEL 0761-76-1036)の店頭とウェブサイトで販売する。

 同館の開館時間は9時~17時。月曜定休。2階茶室は入場無料。

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