石川県出身の写真家、梅佳代さんがふるさとを撮った写真展

会場で作品を背にする梅佳代さん

会場で作品を背にする梅佳代さん

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 石川県鳳至郡柳田村(現・能登町)出身の写真家で今年3月に第32回木村伊兵衛写真賞を受賞した梅佳代さんの写真展「うめめ:ここは石川県の部屋」が、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で開催されている。

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 柳田村の山地で生まれ育った梅さんは、中学生のころ、近所に自動販売機がないことに不満を抱き、村を出て都会で暮らすことを決意。高校生で進路を決定する際、野球のイチロー選手のファンだったことから「カメラマンになれば、イチローと出会って結婚できるかも」と思い、大阪の写真専門学校へ進んだという。現在は東京在住歴が5年となり、「すっかりシティ派」になっている。梅さんの作品は「ご近所写真」とも呼ばれ、被写体が日常の中で見せる一瞬や身の回りで起きるハプニングを独特の呼吸感でとらえている。

 梅さんにとって石川とは実家に住む家族。会場には、梅さんがふるさとに住む家族や犬、身近な人々を撮った写真約50点と、今回初挑戦となった映像作品1点が展示されているほか、梅さんによるドローイングが壁に描かれている。映像作品は、梅さんが「都会にあこがれている石川の人のために、東京を紹介するつもりで撮った(笑)」もので、写真と同じ視点で東京タワーやハチ公、渋谷の繁華街などの日常を撮影したビデオが編集なしでテレビ画面に映し出されている。

 初日に行われたオープニング・トークでは、梅さんが首から愛用のカメラをぶら下げたいつものスタイルで登場し、客席にカメラを向けた。柳田村の思い出や7月に出版される写真集の話題に触れた後、同展で展示されなかった写真などをスライドで映し出し、それぞれの作品にまつわるエピソードを披露した。

 梅さんは「被写体として日常以外のことは意識していないし、日常を撮ったのがリアルな写真だと思う。たとえカメラを向けて被写体が構えたとしても、それが本当の顔。カメラを向ける前も後も本当の顔で、写真に撮っているのは、いつも本当のこと」と話している。

 10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜閉場(7月16日は開場)。7月16日まで。

金沢21世紀美術館「うめめ:ここは石川県の部屋 梅佳代写真展」

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