転写シールで九谷焼を自由にデザイン-金沢でワークショップ

白生地にシールを貼ってオリジナルの九谷焼を制作する参加者たち

白生地にシールを貼ってオリジナルの九谷焼を制作する参加者たち

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 転写シールを使い九谷焼を制作するワークショップ「KUTANI SEAL」が8月9日、アートギャラリー&カフェ「彗星倶楽部」(金沢市桜町5)で開催された。転写シールを使った一般向けの制作体験は例がなく、子どもから大人まで参加者14人が思い思いのデザインでオリジナルの九谷焼作りに挑んだ。

転写シールを使って焼いた完成品のサンプル

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 九谷焼用の転写シールは花鳥や吉祥文様などをモチーフにしており、生地に貼り付けて焼成すると手描きのように仕上がるため、通常は同じ絵柄の商品を低コストで大量生産する目的で使われる。

 今回のワークショップは、九谷焼の上出長右衛門窯(能美市吉光町)と商品開発やプロジェクト企画を手がける「丸若屋」(東京都世田谷区)が九谷焼に気軽に親しんでもらおうと企画した。「九谷焼の絵の具を使って筆で描く絵付け体験は、満足のいく仕上がりにするためには絵心が必要で、筆の扱いも難しく、絵の具の色から焼き上がりの色合いが想像しにくい。その点、切り貼りするだけで手軽に仕上げられる転写シールは、特別な技術がなくても楽しめるうえに仕上がりの完成度も高い」(同窯・上出惠悟さん)。

 当日は、30種類近くの転写シールと九谷焼の白生地が用意され、参加者は好みの図案を選び、配置やバランスを考えながら白い器にシールを貼り付けていった。転写シールを使ったワークショップは7月に栃木県のギャラリーヤマモトで開催したのに引き続き2回目。同窯の商品は一つひとつ手描きで制作されており、上出さんと丸若屋の丸若裕俊さんは「転写シールの制作体験で九谷焼に気軽にふれてもらうとともに、手描きならではの味わいや技術に理解を深めるきっかけになれば」と話す。

 8月23日には同ワークショップの3回目を同窯工場で開催予定(13時~18時)。28日には東京都港区のカフェ「MADARACAFE HIROO」での開催も予定している。

 同店では、同窯の器のほかガラス、金工、陶芸、漆などの作家の作品を展示し、参加作家の器を使ってドリンクやスイーツを提供する企画展「夏のうつわあそび」を8月16日まで開催している。営業時間は11時30分~19時。月曜定休。

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