「輪島塗復興フォーラム」が2月15日、北國新聞交流ホール(金沢市南町)で行われた。
主催は石川県伝統産業振興室が事務局を務める「輪島塗の若手人材の養成施設の整備等に関する基本構想実行委員会」。当日は一般参加者のほか、自治体、官公庁、輪島塗関係者など約100人が会場を埋めた。
「輪島塗の復興と未来 ~漆の都 輪島~」と題した基調講演に登壇したのは、沈金の人間国宝で輪島塗資料館館長の山岸一男さん。地震で自宅や工房を失い、骨折で仕事もできない状態が続いたが、「輪島は一瞬で変わってしまった。故郷の風景を作品として残し、多くの人に見てもらうことが今やるべきことだ」と気持ちを切り替えたという。震災前の作品展で制作に関わった職人の名前を図録に掲載したところ、その家族や知人が誇りを感じている様子を目にし、職人が減っていくことを嘆くだけでなく「今やるべきこと」を行動することの大切さを実感。震災後に参加した旅客船「飛鳥3」のパネル制作では全国の職人とコラボレーションを経験し、これからの輪島塗には垣根を越えたチームワークが必要だと確信したエピソードを交え、「今やるべきこと」を考え実行することの重要性を語った。
パネルディスカッションでは、輪島漆器商工業協同組合の日南尚之理事長が、石川県が発表した輪島塗の人材養成施設整備計画に触れ「震災後、若手が輪島から離れてしまっている。将来の輪島塗を支える人材を養成するプロジェクトは大きな希望」と期待を寄せた。塗師(ぬし)で輪島屋善仁社長の中室耕二郎さんも「震災前のレベルでものづくりができていない状況。弟子を育てる余裕がなくなっているのでありがたい」と話した。
経産省や文化庁からも登壇があり、輪島塗の地域産業として復興の重要性に加え、アートや生活文化としての価値を高める上での課題や展望を共有した。
会場では輪島塗の販売や展示、制作の実演や体験会も行われた。