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金沢21美の茶室で書のワークショップ 自由な表現を楽しむ

参加者の制作の様子

参加者の制作の様子

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 能登で活動する書家、室谷文音さんによる「抒情書(じょじょうしょ)ワークショップ」が11月24日、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)の茶室「松濤(しょうとう)庵」で行われた。

室谷文音さんによる「抒情書ワークショップ」

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 開催中の「コレクション展2 文字の可能性」関連イベントで同館が主催。当日は同館友の会会員14人が参加した。

 室谷さんによると、抒情書とは「井戸の水をくみ上げるように気持ちをくむ」という意味を込めて、40年ほど前に両親が始めた書の手法。自分で考えた言葉や形を、さまざまな筆、紙、墨の色や濃さで自由に表現する。手本がないので間違いがなく、自分が思わない限り失敗もないという。

 ワークショップに先立って、同展会場で井上有一の「風」や、柿沼康二さんの7.5×11メートルの「不死鳥」など、大きな書の作品をキュレーターの解説と共に鑑賞した。

 松濤庵には、室谷さんが能登のアトリエで使っているさまざまな大きさや形のすずりや、クジャクの羽根、竹や稲穂、タヌキの毛など、多様な素材で作られた筆などを並べ、参加者が自由に選んで使えるようにした。紙は杉皮やミョウガなどをまぜた質感豊かな「仁行(にぎょう)和紙」と、コウゾだけで作った「久田(きゅうでん)和紙」を用意。いずれも能登で手すきされた紙だという。

 参加者は何をどのように書いても良いと言われ最初は戸惑っていたが、さまざまな道具や材料を試しながら考え、楽しみながら手を動かして、それぞれ個性的な作品に仕上げた。

 室谷さんは「SNSやメールなどによって、手で文字を書く機会が減っている。日本の言葉の深さや美しさを大事にしたい。書くことで言葉の持つ意味を考える機会にしてほしい」と話す。

 「コレクション展2 文字の可能性」は来年1月18日まで。

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