
昨年亡くなった建築家・谷口吉生さんが設計した建築を紹介する展覧会が7月6日、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館(寺町5)で始まった。
谷口さんは金沢市出身の建築家・谷口吉郎の長男で、同じく建築家としてニューヨーク近代美術館・新館、東京国立博物館・法隆寺宝物館、京都国立博物館・平成知新館など、国内外で40を超える建物を設計した。昨年12月16日に亡くなり、6月26日には金沢市が「お別れの式」を開いた。
「谷口吉生の建築-静けさと 豊かさの創造-」と題して開かれている展覧会では、吉生さんが金沢で手がけた3つの公共建築を紹介する。紹介するのは、会場の金沢建築館ほか金沢市立玉川図書館(長町2)、鈴木大拙館(本多町3)。建築模型や図面などの資料を展示するほか、インタビューなどの映像を上映する。
展示の中には手描きのスケッチや、メモが書き込まれた図面もある。解説によると、金沢の街と建築の関係を試行錯誤した過程を示す資料も含まれるという。
生前の吉生さんから同展の企画を依頼されたという建築家・白川裕信さんは「展示を見てもらえなくて残念」と話す。「作品について多くを語ってこなかった姿勢は、決して冗舌にならない簡潔な建築のたたずまいにも表れている。金沢の地を愛し、街のあるべき姿を考えていたことが残された資料から伝わってくる」とも。
開催時間は9時30分~17時。月曜、年末年始休催。観覧料は、一般=800円、65歳以上=600円、高校生以下=無料。1月18日まで。