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石川県立美術館で和倉温泉の旅館女将が館長と対談 「食と器」をテーマに

旅館で使う器について話す加賀屋女将の長谷川明子さん

旅館で使う器について話す加賀屋女将の長谷川明子さん

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 石川県立美術館(金沢市出羽町)で11月9日、和倉温泉の旅館「加賀屋」(石川県七尾市)の長谷川明子さんと館長の青柳正規さんが「食と器」をテーマに対談した。

会場の様子

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 12月8日まで開催する企画展「食を彩る工芸」のオープニングイベント。会場には約60人が集まった。

 長谷川さんは同旅館の女将(おかみ)。同旅館は地元作家の工芸作品を多数所蔵し、同企画展にも器などの作品を数十点出品している。先代社長が1985(昭和60)年~2012(平成24)年にかけて、角偉三郎さん、徳田八十吉さん、浅蔵五十吉さんなど県内の工芸作家と情報交換や交流を深めるための会合「匠の会」を行ったことが作品収集のきっかけとなった。所蔵作品は旅館内にも展示していて、作品を見て巡るツアーは毎回満席だという。

 「食事に使う器も輪島塗や九谷焼など地元の物が多く、作家の作品を使うこともある」と長谷川さん。かぶらずしと九谷焼など、地元の食材と地元の器の相性はとても良いという。同旅館が使う輪島塗の膳や座卓などは修繕などに備え、最大宿泊者数の約2.5倍の数が必要になるといい、管理や収納の大変さを訴えながらも、「何度でも直せるところが良い」という。

 能登半島地震で被災し復旧が進んでいない和倉温泉について、長谷川さんは「この地域は『独特な歴史と景観』『食文化』『客人のおもてなし』の3つがそろっていることが他にない強みなので、復興につなげていきたい」と話す。

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