金沢の老舗酒蔵「福光屋」（金沢市石引、TEL 076-223-1161）が5月27日、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」とコラボした純米大吟醸酒「そして伝説へ・・・」を発売した。

福光屋の純米大吟醸「そして伝説へ・・・」

　6800万本以上を出荷するロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」の誕生30周年を記念し、「スクウェア・エニックス」（東京都新宿区）が同社に呼び掛けた。北陸新幹線開業で注目を集める金沢に根付く老舗酒蔵として、米発酵技術を生かした幅広い事業展開や商品開発を行う同社とのコラボが決まった。

　開発にあたっては、極上の純米大吟醸酒を目指して兵庫県産山田錦100パーセント、精米歩合50パーセントと洗練した味わいにこだわった。華やかな香りと豊かに膨らむうまみやキレが特徴で、冷やか常温で味わうのがおすすめだという。ラベルには保護用の紙を巻き化粧箱を不織布で包むなど、ファンの熱い思いを意識した手厚い梱包（こんぽう）も。人気キャラクター「スライム」や30周年記念のロゴを落款（らっかん）風にデザインした木升を添える。

　30～40代男性ファンの購入が多く、20代男女のSNSへの書き込みによる需要もあり初回は即完売となった。「ドラクエファンの熱意には驚いた。パッケージの豪華さや高品質な日本酒の味わいが人気につながったのでは」と同社企画広報室の岡本亜矢乃さん。7月上旬予約分も完売する見込みで、9月から醸造を始める来期分は使用可能な酒米などを見極めた上、生産本数を決める。両社のオンラインショップで告知し、セット商品のみ販売する。

　岡本さんは「世界初のドラクエと日本酒・木升という夢のコラボが実現し予想以上に反響が大きく、お客さまをお待たせする状態となりご迷惑をかけている。この好機を捉え、純米蔵である弊社の長年の取り組みや純米酒のおいしさを知っていただければ」と期待を寄せる。

　価格は5,600円（税別、木升1個付セット）。同社オンラインショップと、スクウェア・エニックス公式ショッピングサイト「e-STORE」で予約販売する。