加賀市打越地区の茶葉を使った「加賀の紅茶」が誕生から5年を経て、地元に製茶専用機を導入し一貫生産の体制を整えた。
地元の茶産業を盛り立てるため、打越製茶農業協同組合と県茶商工業協同組合の有志で発足した「茶レンジの会」が2009年からブランド化を進めてきた「加賀の紅茶」。7月中旬の2番茶や8月下旬の3番茶を活用する。タンニンが少ないため、海外の紅茶に比べ渋みが少なく自然な甘味と米あめのような甘い香りが特徴。砂糖を入れなくてもストレートで楽しめるとして、人気を集めている。
県中小企業団体中央会の支援を受け、生産量は初年度の約40キロから5年で450キロにまで増加した。これまでは、茶摘みした生葉を静岡県に送り製茶を委託していたが、好況を受け、生産から加工・販売まで一貫して県内で行えるよう、製茶工場の改築と製茶専用機の導入を決めた。
委託での製茶は1日150キログラムという上限があったが、製茶機の導入により制約が解消され搬入コストの削減も達成する。今年は新たに、6月収穫の1番茶を使った「加賀の紅茶ファーストフラッシュ」もラインアップに加えるという。
6月2日に行われた「加賀の紅茶・打越製茶工場改装と紅茶専用製茶機稼働記念式典」には、同組合のメンバーら約50人が出席。組合長の吉田和雄さんは「地元での製茶加工体制が整い関係者一同、満足している。『加賀の紅茶』ファンに向け、おいしい紅茶を飲んでもらえるようさらに製茶技術を磨き、お茶どころである打越のPRに努めたい」と意気込みを語った。