工芸・食・美しい街並み・芸能に代表される地元の魅力を県内外にアピールするイベント「かなざわ燈涼会(とうりょうえ)2013」が現在、金沢市のひがし茶屋街、主計町(かずえまち)、下新町、袋町、尾張町周辺で開かれており、市民や観光客らが、その奥深さを堪能している。
主催は金沢青年会議所で、2015年春の北陸新幹線金沢開業を前に、リピーターの観光客を増やすのが狙い。毎年夏に開催しており、今年で4回目となった。
民家や店舗、寺院など28カ所を入場無料のギャラリーとして開放し、昔ながらの町家が立ち並ぶ会場エリアのそぞろ歩きと、工芸作品の鑑賞を同時に楽しんでもらう趣向の「浅野川工芸回廊」、陶芸家らが器を提供し、料理人が腕を振るう食談「趣膳食彩(しゅぜんしょくさい)」、浅野川梅ノ橋近くでの「月見コンサート」など、多彩な催しで構成する。
同回廊の会場の一つ、「森八うつわの器」(東山1)では、九谷焼作家の4代徳田八十吉さん(小松市在住)が新作を披露した。新作は、風に吹かれて揺れている瑞穂を表現した「彩釉鉢・遊穂(さいゆうばち・ゆうほ)」、松林の中を風が音を立てて通り抜ける様をイメージした「彩釉 偏壺(さいゆう へんこ)」など3点。人間国宝だった故・3代徳田八十吉さんの「耀彩鉢・大文字」、初代の「万歳楽置物」などもあり、来場者は障子戸を開け放ち涼しさの漂う和室でゆっくりと鑑賞した。8日は4代徳田八十吉さんが解説に立った。
同日、ひがし茶屋街の茶屋「懐華樓(かいかろう)」(東山1)でオープニングセレモニーが行われ、藤弥昌宏同会議所理事長が出席者約60人を前に、「期間中、最大限のパフォーマンス、表現をしてほしい」とあいさつした。総合監修する金沢21世紀美術館の秋元雄史館長は「素晴らしい作家に関わっていただき、町を愛している方々が支えてくださっていると実感している」と感謝を込めた。
今月11日まで。詳しくはホームページで確認できる。