昨年5月13日の「母の日」に金沢を出発し、似顔絵を描いて日本一周する旅に出ていた石川県在住の似顔絵アーティスト・西澤小百合さんが、今月26日、岡山県真庭市のイベント会場で目標としていた「1万人の笑顔」を描き上げた。
西澤さんは元保育士。もともと絵を描くことは苦手だったが、旅先で出会った人に似顔絵を描いて渡したところ、とても喜んでもらえたことがきっかけとなり、2008年からイベントやボランティアで似顔絵を描くようになった。
日本一周の旅は、「座って待つより自ら動きたい。自分の似顔絵でたくさんの人に笑顔になってもらいたい」と決意。仕事を辞め、最小限の荷物で金沢を出発し、北は北海道から南は沖縄までキャンピングカーを走らせた。
旅程は現地での縁まかせ。全国各地どこに行っても、自宅に泊めてくれる人、次の行き先を紹介してくれる人、親身になって叱ってくれる人など、応援してくれる人との出会いがあった。人との縁を頼りに旅を続けるうちに、「お金やモノに対する執着はなくなった」といい、ただ似顔絵を描かせてもらえることに感謝する気持ちだけを持ち続けた。
「この1年余りでたくさんの笑顔と優しさに出会えた」と振り返る西澤さん。今後は1万人の笑顔という「点」をつないで「輪」にしていきたいと、旅での出会いをつづった本の自費出版を予定している。
現在西澤さんは京都に滞在しており、47都道府県のうちまだ訪れていない滋賀県と福井県を経て、6月16日の「父の日」に地元凱旋(がいせん)を果たす。同9日には、金沢市無量寺の金沢コロナワールドで行われるイベントに参加するため、いったん石川入りする。