金沢のすし店「大敷」(金沢市西念、TEL 076-261-0041)が2月10日、西公民館(西念)で「すし屋の教室」を開催した。
同店店主の金田羊活さんが「商売抜きで、すし好きの人と接したい。すし屋の仕事を知ってもらいたい」との思いで企画した。市中央卸売市場から一番近いすし店として、これまでにも「市場見学と魚のさばき方教室」や同様のすし教室を開催したところ、参加者からリクエストの声が相次いだことから、2回目の開催を決めた。すし職人から直接プロの技を学べるとあって、受付開始の翌日には定員に達したという人気ぶり。
当日は、主婦仲間以外にも夫婦や男性1人など11人が参加し、ネタの切りつけ方や握りの手順、細巻きずし作りを学んだ。甘エビ・イカ・ブリ・カジキマグロの握りずしに挑んだ参加者からの「握りは簡単そうに見えたが、なかなか思うようにいかない」「ご飯が手にくっついてうまくいかない」などの声に対し、金田さんは「手の温度と、水分が付き過ぎないことが大切。体温が高い人は、氷水などでマメに手を冷やしてから、水分を取って」とアドバイス。また、「シャリの大きさはだいたい18グラム。1つ目はスケールで計り、それを目安にしてほしい」と伝授、参加者は「感覚をつかむまでは、思ったより難しい」と口にしながら、おのおの真剣な面持ちで「手作りずし」に取り組んだ。
さらに今回、金田さんが味覚をテーマに考えたのが3種の味比べ。「市販と手作りのだし(昆布・カツオ・とびうお)のみそ汁飲み比べ」「市販と自家製のガリ食べ比べ」「水道水とアルカリ水の緑茶飲み比べ」。「市販のものはうまく作られていて、一口目は違いが分かりにくいかもしれないが、感覚を研ぎ澄ませて比べてみてほしい」との金田さんの言葉に、参加者は慎重に味を比べながら「お茶の場合は明らかに分かるが、ほかのものは意外と難しい」などと感想を口にした。
今後の教室について、金田さんは「参加者の声を聞きながら、継続性や企画など検討していきたい」と話す。